移動平均線はFXでもっともメジャーなインジケーターと言って良いでしょう。
移動平均線は非常に効果を発揮しやすいインジケーターですが、使い方を間違えるとトレードを優位に進めることができないばかりか、損失につながってしまうこともあります。
そこで今回は移動平均線の効果的な使い方を紹介していこうと思います。
目次
移動平均線の基本的な使い方
移動平均線は、テクニカル指標の代表的な存在と言えます。多くのトレーダーが意識している指標であるため、環境認識を行ったり売買の目安にしたりする上で効果は抜群です。
ゴールデンクロスとデッドクロス
移動平均線を用いた売買手法で代表的なものがゴールデンクロスとデッドクロスです。ゴールデンクロスは短期線が中期線や長期線を下から上に抜けることを意味します。ゴールデンクロスは買い時のサインとして機能します。
一方でデッドクロスは短期線が中期線や長期戦を上から下に抜けることを意味します。デッドクロスは売りサインとしてトレードに活かすことができます。
下のドル円日足チャートでは、短期線と中期線が順に長期線を上抜けしていることが確認できます。これがゴールデンクロスです。
ゴールデンクロスやデッドクロスの効果は時間軸によって変わってきます。一般的に長期足になればなるほど、ゴールデンクロスやデッドクロスは効果を発揮しやすい傾向にあります。
これは15分足チャートや1時間足チャートよりも、日足チャートや週足チャートの方が多くのトレーダーに意識されており、ゴールデンクロスやデッドクロスも同様に意識されやすいためです。
移動平均線をサポートラインやレジスタンスラインとして見る
移動平均線の効果的な活用方法の一つが、移動平均線のラインそのものをサポートラインやレジスタンスラインとして使用するということです。
ローソク足が移動平均線よりも上にあれば、移動平均線はサポートラインとして機能します。ローソク足が移動平均線にタッチして反発したら押し目買いでエントリーを行いましょう。
ローソク足が移動平均線よりも下にあれば、移動平均線はレジスタンスラインとして機能します。ローソク足が移動平均線にタッチして反落したら戻り売りでエントリーを行いましょう。
下はドル円日足チャートですが、100MAに接近、もしくはタッチしたポイントが戻り売りのエントリーポイントです。
移動平均線を目安に押し目買いや戻り売りを行う場合、しっかりとしたトレンドが発生していることを確かめる必要があります。
方向感の薄いレンジ相場では、ローソク足と移動平均線が頻繁に交差するため、押し目買いや戻り売りは効果を発揮しません。
グランビルの法則を活用する
移動平均線の活用方法として、グランビルの法則があります。グランビルの法則とは、移動平均線と価格の位置関係から、値動きを予測するという理論です。
買いのタイミングと売りのタイミングは4種類ずつで、これらのパターンを覚えておくことで、エントリーのタイミングを計ることができます。
エントリーのタイミング4種類の中には難しいものもあるので、初心者の方は以下のパターンを考えてエントリーすることをおすすめします。
・押し目買い・・・・価格が移動平均線を上抜けた後、一時的に価格が移動平均線を下回ったポイント
・戻り売り・・・・・価格が移動平均線を下抜けした後、一時的に価格が移動平均線を上回ったポイント
チャートには、グランビルの法則の4つの買いパターンを示しました。
このうち②押し目買いのポイントでは、トレンドの流れに追随する新規の注文が入りやすいため、比較的値動きの予測がしやすいという特徴があります。
また、エントリーがうまくいけば、トレンド方向に価格が大きく伸びやすいのも、このエントリーポイントの特徴です。
トレンドがスタートした後の小休止でエントリーしておくことで、その後のトレンドの勢いが強まったときの恩恵を受けることができます。
移動平均線の注意点
移動平均線を利用する際はいくつかの注意点があり、移動平均線を有効活用するためには、注意点を把握しておく必要があります。
移動平均線と価格の位置関係の理由を探る
ここまで見たように、ローソク足と移動平均線の位置関係はトレードを進めていく上で非常に重要なポイントです。
ただ、より精度を上げようと思えば、位置関係だけ見るのではなく、なぜその位置関係になっているのか確認するようにしましょう。
例えば、ゴールデンクロスが発生したとしても、一時的なニュースによるものであった場合、ダマシに遭ってしまう可能性があります。
設定は多くのトレーダーが使用しているものにする
FXでは大衆心理を読み取ることが大切なので、移動平均線の設定は多くのトレーダーに使用されているものにしましょう。
・21MA(20MA)
・75MA
・100MA
・200MA
また少し触れたように、ローソク足の時間軸は5分足などの短期足よりも、日足などの長期足の方が意識されやすいため、トレードに活かしやすいでしょう。
1年間の移動平均線である日足の200MA、1か月の移動平均線である日足の21MAは、特に意識されやすいため、トレードで効果を発揮する可能性が高くなります。