プライスアクションとは、その名の通り、価格(プライス)の動き(アクション)を分析し、値動きから投資家心理を読み解いて相場状況を判断する手法のことです。
特にプライスアクションが効果を発揮するのは買い手と売り手の判断の分かれ目です。分かれ目においては、それまでの流れが継続するのか、それとも反転するのかといった判断が行いやすくなります。
例えば、安値で長い下ヒゲを付けたのであれば、反転サインとしてとらえることができ、その後の上昇を比較的容易に予測することが可能です。
今回はトレードで活用できるプライスアクションをいくつか紹介していきたいと思います。
目次
フェイクセットアップ
フェイクセットアップとは、レンジ相場のブレイクに失敗後、反対方向に値動きが加速するプライスアクションです。
レンジ相場では、上限と下限の間を行ったり来たりします。そんな中、一旦はブレイクしたものの、ダマシに遭ってしまい、反対方向への値動きが加速する値動きのことをフェイクセットアップといいます。
チャートではレンジ相場の最中、丸印で一度下方向にブレイクしようとしますが、ダマシに遭い、ローソク足が再度レンジ内に戻っていきます。
ダマシに遭うと、より強いサポートが意識されるほか、ブレイクアウトに追随する売りポジションでロスカットが発生するため、上昇しやすい相場環境に変化します。
上方向にブレイクしようとしてダマシに遭う場合も同様です。その場合は強いレジスタンスが意識され、新規の買いポジションのロスカットも発生するため、下落圧力が高まります。
インサイドバー
2本目のローソク足が1本目のローソク足の実体部分に完全に収まっている状態は、インサイドバーと呼ばれます。インサイドバーの意味は、出現するタイミングによって変わってきます。
上のチャートのように、トレンド継続中に出現するインサイドバーは、上昇トレンドの押し目や下降トレンドの戻り目と読み取ることができ、有効になる戦略は順張りです。
一方で、重要ラインに差し掛かるなど、トレンドがそろそろ終了しようとしているときに出現するインサイドバーは、トレンド転換の合図となります。
このように、同じインサイドバーでも、意味することは全く異なるので注意が必要です。プライスアクションだけでなく、移動平均線などのトレンド系指標やRSIなどのオシレーター系指標を使って、現在のトレンドがどの段階にあるのか判断することが大切です。
アウトサイドバー
アウトサイドバーとは、1本目のローソク足が2本目のローソク足をすべて包み込んでいるような状態のことです。日本では包み足と呼ばれることが多く、トレンド転換のサインと読み取ることができるプライスアクションです。
1本目の足を2本目の足が包み込むということは、包み込んだ方向への強い売買が行われたことを意味します。
上のチャートのように、1本目が陽線で2本目が陰線の場合、売り圧力が高まったことを意味します。反対に1本目が陰線で、2本目が陽線の場合は買い圧力の高まりを意味します。
エンゴルフィンバー
エンゴルフィンバーもアウトサイドバーと同じで、トレンド転換を表すプライスアクションです。
アウトサイドバーと非常によく似ていますが、エンゴルフィンバーの方が条件は厳しく、2本目の終値が1本目の高値や安値を更新していなければならない点です。
チャートのように、1本目が陽線、2本目が陰線の場合、売りのエンゴルフィンバーと読み取ることができます。1本目の終値はもちろんですが、1本目の安値(下ヒゲの部分)も2本目の終値が更新します。そのため、非常に強い売り圧力が働いていると考えられます。
一方で1本目が陰線、2本目が陽線の場合は買いのエンゴルフィンバーとなります。1本目の終値と高値(上ヒゲの部分)を2本目の終値が更新します。そのため、非常に強い買い圧力が働いていると考えられます。
スパイクハイ
スパイクとは、ヒゲが長く、ローソク足の実体部分が短いローソク足のことです。スパイクハイでは、上昇が継続した後、高値水準で上ヒゲの長いスパイクが出現します。
長い上ひげが意味することは、これまでの上昇が押し戻されたことです。スパイクハイは、上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示唆します。
ヒゲが長いほど、売り圧力が強く、反落する可能性が高くなります。また、すぐに反落しなくても、上ヒゲがトレーダーに意識されることで、少しずつ下落に向かって値動きが進む傾向があります。
スパイクロー
スパイクローは下降トレンドが継続し、安値水準で下ヒゲの長いスパイクが出現した状態のことを指します。
長い下ヒゲが意味することは、これまで続いた下落からの反転です。そのため、スパイクローは下降トレンドから上昇トレンドへの転換を意味します。
下ヒゲが長いほど、買い圧力が強く、チャートのように急速な反転を見せる可能性が高くなります。
まとめ
プライスアクションの良いところはほかのテクニカルと違い、人によって見かたが違うという事が無いことです。そして、勝っているトレーダーでプライスアクションを見ていない人はいない位、有用なテクニカルです。
ぜひ過去チャートなどを見て検証してみてください。その有用性に驚くはずです。